ごきげんよう

夏まっさかりですね(大嘘)

復讐するは彼にあり

(「追放選挙」というゲームの伊純白秋さんという方のお話です)
(タイトルはグラール騎士団が好きな皆様にとってはおなじみのアレです)
(5月末くらいに深夜テンションで書いた文章を少し追記した程度の残念な文章です。)
 
ごきげんよう、最近なんかびっくりするくらい暑いですね…

さて、先日「追放選挙」というゲームを買いました。発売前から情報は追っかけていて、珍しくしっかり発売前に予約の上全額内金して買ったゲームで、めちゃくちゃ楽しみにしていました。
公式サイト↓
http://nippon1.jp/consumer/tsuihou/sp/

ただ。
全額内金して発売日に取りに行ったはいいものの、ひとつ大きな問題があったのです。
 
わたしVita持ってねえ。
 
そんなわけでしばらくプレイできないまま放置していたわけなのですが、数日後にお友達にVitaを貸していただいてついにプレイできるようになりました。トゥルーエンドを迎え、何度か周回し、まだ全メッセージの90%しかあいてないんですが、ここらでちょっと記事を書こうと思って筆をとった次第です。(やっといま95%になりましたがまだ全部あきません。ぐぬぬ)

もうね、あのね、みんな残念ですごくいい(語彙力の欠如)。
個人的な話で恐縮ですが…ってここより前もここから先も全部個人的な話なんですが、残念な人間の演技がだいすきなんですよ…。狂ってたりとか、叫んでたりとか、人間の醜い部分みたいなのをさらけ出してる演技聞くのがだいすきなんですね。この人、趣味が悪いですね。
なので、この手の作品は大好物で……でも読み物ゲーってあんまり得意ではないので、普段はなかなかそんなに買おうとはしないのですが…正直言ってキャラのぶっ飛び具合と中の人にホイホイされました…。


さて、いざやってみ始めた感想は、確かにダンロンのパクリだなんだ言われるのも…わか…わからんでも…ないな…?みたいな。もう客観的な視点で見られないくらい入れ込んでしまって「ごめん多分面白いからみんなとりあえずやって(雑)」って感じです。公平な目で見たらどうなるのかわたしに教えてください(?)

主人公・要くんの山谷さんの演技もかなりぐっときてめちゃめちゃ好きだったのですが(特にあの最後のあるキャラと入れ替わってるところとか!)、今回は伊純白秋さんというどうしようもない可哀想な人の話がしたい。ネタバレを多分に含むというか、プレイした方向けな文章になるので、まだ見たくないって方は以下ご注意ください!



伊純白秋。読みは「いすみはくしゅう」。
20歳の大学生なので2年生か3年生ですね。多分。
蓼宮(たでのみや)アーシャ・カーシャという双子と行動を共にする、色白トンチキカーディガンおにいさんです。
双子の隣の家に住んでいて、彼女らの日本語の家庭教師として関わることになるわけですが……双子に病的なまでの愛情を向けられてしまった彼は、平穏な生活を、自らの肉親を2人に奪われてしまったことで、2人に復讐することを誓います。

そんな彼の一番の目的は「自らの手で双子を殺して復讐を果たすこと」。それ以外に彼の目的・生きがいは最早なくて、その目的のためなら自身の命さえも捨てていいという、ぶっ飛んだ人です。
基本この作品のキャラたちはみんな悲しい過去があったり、どこかしら倫理観が壊れてたりする(先の「悲しい過去」が影響してたりする)のですが、彼の場合は「自らの手で双子を殺したい」という部分でしょうか。復讐の手立てとして法的手段の手を借りず「目には目を、歯には歯を、ですよ」などと言いながら、ハンムラビ法典よろしく双子を殺そうとしている。もちろん双子の方も簡単に彼の両親を殺し、しかもそれを闇に葬るというトンデモ幼女なので(設定的にもマフィアの娘で〜みたいなのがありましたし)、そう簡単には殺されてはくれないわけですが……

さらには先にお話したとおり、復讐のためならば自分の命すらも捨てる覚悟でいて、「2人を一番絶望させられる方法はなんだ?」「自分が死ねば彼女達に一番ダメージを与えられるのではないか?」という考えのもと、自らの体に少しずつ毒を盛っているというのです。そして「奇妙な愉悦と、自虐的な快感の中で毒に蝕まれていく自分の体を、ただ遠くから眺めていた。」とも。
最初は純粋な憎しみだった彼の殺人願望は、徐々に楽しみへと変わり、今では双子との奇妙な関係を楽しんでいる。なんとも残念、なんとも愚かな人じゃないですか。

そしてゲーム内で、彼より先に双子を追放すると、なんと「双子の代わりに主人公のことを殺そうとしてくる」のです。選挙のシステムにより、追放されてしまった人のことは主人公以外の生存者全員が忘れてしまうことになっています。そこで彼は、唯一の生きがいである「殺意」の行き場を失い、それを主人公に向けてくるというわけ。
双子への殺意にはまだ復讐という言い訳ができたけれど、この殺意にはもうそんな言い訳もできません。選挙というシステムに踊らされて、彼は殺人鬼になり果てるのです。めっちゃ高まりません!?よくない!?どうしようもなくて震える!!!!!

多分、彼はもともと殺人鬼としての素質を持っているのだと思います。作中、移住計画の原因でもある誰かを殺した人は症状が治まるという殺人ウイルス。そのウイルスの感染者であり過去に過失とはいえ人を殺したことのある彼は、本来ならばもう殺人衝動を抱くはずはないのです。双子の叔母さんを殺してしまった時に殺意が収まらなかった時点で、彼は紛れもなく「殺人鬼」なんじゃないかな、と。最後に見られる資料でも「肉体的、精神的な欠陥が認められるが」って書かれてるし、紅茶事件でも「誰でもかまわないくらいに……」「ひょっとして僕は、ただの快楽殺人者だったのかもしれないね……誰でも殺そうとするような……」って言ってるし(要くんは否定しますが…)。
…とすると、ただの臆病者なのでしょうか…実行する勇気はないけど、殺意はどうしても消せない。からこうしておままごとみたいな殺人計画を彼は続けている。かわいい……かわいいなぁ………。



閑話休題
ここから少し違う作品のお話になりますので、飛ばしていただいて大丈夫です。
わたしが二次元で最も愛している(わたしとしてはもうこの感情が好きとかそういうものなのかわからないのですが)キャラクターは「亡念のザムド」という作品の寺岡フルイチというキャラクターです。阿部敦さんのファンなのにアキユキじゃねーのかよ!と言われそうですが、フルイチが好きです。これまたネタバレ注意なのですが
〜〜〜ここからネタバレ〜〜〜
彼は主人公・アキユキと、ヒロイン・ハルの幼なじみで、お互いなんだかんだ直接言葉にはせずとも好きあっている2人をずっと近くで見ながら、彼もまたハルに恋をしていました。
しかしある日起きたテロにより異形の力を手に入れたアキユキは国に追われ、彼らの住んでいた島から失踪してしまいます。「あんな化け物のことはもう忘れろ」とハルを諭すも、ハルは「アキユキは生きてる」と信じてくれません(実際アキユキはその力とうまくやっていけるようにトレーニングしていてきちんと自我を持って生きているわけですが)。

そこから徐々に彼のハルへの愛情はもっと醜いどろどろしたものに変わっていってしまい、あるとき島に帰ってきたアキユキとフルイチが対峙した時、実は同じテロ事件をきっかけにフルイチもまた「自分が化け物と蔑んだアキユキと同じ異形の力」を手にしていて、しかもそれをコントロールしきれずに暴発します。彼の中の負の感情が爆発し、結果ハルにフラれ、アキユキには一瞬とはいえ殺意を持って殴りかかられる、という可哀想な彼は、最終的に国に捕まり護送される途中、その力を使って自ら命を絶ちます。
〜〜〜ここまで〜〜〜

本来ならば主人公に対して、悪役のキャラなどに与えられることの多い光と影の影の方の役回りを、彼は親友という立ち位置でもって見事に務め、光になることは出来ないまま、その生涯を閉じました。

彼のこの作品世界における存在意義は、ある意味「不幸であること」です。アキユキとハルが幸せになれば、彼は絶対に真の意味で幸せになることは出来ない。どこまでも主人公の影であること、それが彼の「存在意義」なのです。極論「幸せになれたらそれはもう『寺岡フルイチ』ではなくなってしまう」。そのどうしようもなさが好きなんです。

わたしはハルのことを好きでいるフルイチが好きです。
自分が彼女になって彼を幸せにしたい!とかは微塵も思っていません。でも、「今日はいい天気だなぁ」とか「今日もお味噌汁がおいしいなぁ」とか、フルイチの言葉を借りれば「そんなちっぽけな幸せ」のある日々を送るだけの支援を、なぜわたしはしてあげられなかったのだろう?と思わずにはいられなくて。まぁ無理なんですけどね。神じゃないし。
願ったところで「幸せな寺岡フルイチ」というのはもうその存在自体が矛盾で、それはもう寺岡フルイチではない。彼は永遠に幸せになれない。この構図がめちゃくちゃに好きで、伊純白秋さんにも通じる部分なんですね。



長くなりました。
ここからまた白秋さんのお話です。
彼もまた「永遠に幸せになれない」キャラクターであると思うのです。
まずこの終わらない選挙の繰り返し。もしあのまま要くんが気づかずに選挙がまだ行われ続けたとしたら、物資の許される限りあの冷たいベッドの中で追放し合っていたことになる。もしかしたらそのどこかで彼は双子を追放するなり、紅茶以外の何かしらの手立てで殺せたりして復讐を果たせたのかもしれませんが、それはすべて現実のものではない。(追記:夏コミの本ではちゃっかり双子よりも後まで生き残っていましたね……ちょっとだけ幸せな気持ちになりました。)
…まぁ、アリスのあの周到ぶりを見るに、紅茶以外の何かで彼が双子とアリスを出し抜けたとは思えないし、彼の場合毒入り紅茶事件から察するに、選挙で勝って相手を追放して化け物に食われて殺すことより、あくまで自分の手で殺すことにこだわっているように思うのでどうなんだろう…。いや5000回もやってれば1回くらいは殺せてたり…しないだろうな。

それ以上に大きいのは、「双子を殺すこと以外の目的がもはや彼には存在しない」という部分。もしも仮にトゥルーエンド後に地球が復興していて、仮に彼が双子を殺せたとしても、もう彼には何もないのです。「告白して付き合うまでが一番楽しい」みたいなのと少し近いのかもしれませんが、彼と双子は、最早今の状況を楽しんでしまっている。殺してしまえばこの関係は終わってしまうから、彼の一生の目的は恐らく果たされないだろうし、果たされたところで彼にはもう何も残ってはいない。この奇妙な三角関係を続けることこそがもしかしたら彼にとって一番幸せかもしれないという矛盾。「双子と共依存のような関係に陥っている」と書かれている通り、彼はただ「あの双子に振り回されて困ってるお隣さんのお兄さん」ではすまされないのです。どうしようもなくないですか。このどうしようもなさが愛おしい。伊純白秋が本当の意味でその野望を果たすことは、きっとないのです。

これからもどうか、不幸であり続けてほしい。不幸なあなたが好きだ。
これからも何度でも追放してあげたい。
哀れな復讐者伊純白秋は、こんなにも可哀想でいとおしい。

……こんなことを思ってる時点で、自分も蓼宮姉妹とあんまり変わらないのかも知れませんね。かわいそうな白秋様が、わたしも好きです。

何やら自分の性癖を晒してるだけの文章になっている気がするけれど、伊純白秋さんはいいぞ!!!!!って気持ちを何かにぶつけたかった。勢いだけで書いたのでいろいろ雑ですすみません。


その他文脈の中に入れ込めなかった萌えたところシリーズ(箇条書き)
・一連の紅茶事件シリーズ
総じてかわいい。本当にかわいい。こんな陳腐な作戦でアリスと双子と主人公を出し抜けるとでも思っているのか?????かわいすぎる。殺意を消せないのに殺人鬼にはなりきれない伊純白秋さん残念かわいい。

~ここから資料室で読める過去のおはなし~
・「その時は彼女もいなかったし、時間も余っていた。」みたいな文章。あ〜二流大学生!って感じのこの煩悩を感じさせる文面!見た目や言動からは割とそういうことにあんまり興味無さそうな感じなのにこれよ!!!最高だな。ギャップがいい。

・『お前達を……必ず殺す』
『お前達…殺し合え。生き残った方を、愛してやる。』
このセリフにボイスついてたらわたしは死んでた。
けどついてほしかった。ありがとう舞台版追放選挙
普段あんな優しげに話すのになんだこの言葉遣いは?????

最後のアリスとの裁判の時、双子に対して「少し黙っててくれないか?」って言った時の声の冷ややかさも最高でした。選挙の部分のボイスもログみたいな形で戻って再生できたらすばらしいのになって思ってます。

・追放される時の「嘘だ…嘘だうそだウソだ!ははっ!あはははははっ!彼は嘘つきだ!全員殺すんだ!全員、死ぬんだ!」
最高に残念さが滲み出ていてかわいい。それまでは「要くんが全員殺してくれるはずだ」と思っていたのか割と冷静?というかいつも通りのテンションで話していたのに、あの嘘をついた途端これだ。そこには要くんとアリスと彼しかいないはずなのに「彼は嘘つきだ!」とか同意してほしいのか?ん?って感じのこの………はぁ…………このセリフを聞くためについ何度も彼を追放してしまう。ほんとかわいい。ここの立ち絵が満面の笑みなのも最高。

・その少しあとの「ははははははははっ!」
こういう笑い声が狂おしいほどに好き。
発売前のキャラ紹介ムービーもこの高笑いが好きすぎてガタガタ震えていた。あれで購入を決めたと言っても過言ではないくらい好き。

こんなにかわいそうでかわいくて哀れな復讐者、伊純白秋さんとデスゲームを楽しめる「追放選挙」は好評発売中です。どうぞよろしくお願いします。(ダイマ)

それでは長くなった上まとまりもないですがこのへんで。
ちゃお!