ごきげんよう

一年中ふとんが恋しい

"夢"と名付けたOpus

 

ごきげんよう

THE IDOLM@STER SideM 3rd ANNIVERSARY DISC 01
Cafe Parade & Altessimo & Legenders

発売おめでとうございます!!!!!

 

(試聴はこちら↓) 


THE IDOLM@STER SideM 3rd ANNIVERSARY DISC 01 Café Parade & Altessimo & Legenders 試聴動画

【Amazon.co.jp限定】 THE IDOLM@STER SideM 3rd ANNIVERSARY DISC 01 (ビジュアルシート(ジャケットサイズ)付)

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(まだ買ってないというそこのあなたは是非買ってほしい)

 

ずっと待ってました。
本当に本当に嬉しい。

いつものように感想などしたためようとつい記事を書くボタンを押してしまいました。
やっと無事卒論が終わったのでなんとかフラゲできまして、もうずっと聞いているんですが、本当にすごくいい(語彙力の喪失)。
語彙力が著しく低下していますが書きます。思いの丈をひたすら綴っています。

歌詞や曲調についてネタバレ(?)がありますので、まだ聞いてないまだ見たくない!って方はそっとブラウザバックしてください。

 

さて、このサードアニバなのですが、本当に、ずっとずっと待っていた待望のCDであり、オリピが04で既に麗さんも都築さんも出ていたのもあり(間にジェネコンを挟んだとは言えあれは都築さんだけでしたし)、待望の担当の新曲でした。「Altessimoの新曲」としては実にSLぶり…、本当に、よくぞ…ありがとう…待ってたよ…

 

時は少し戻ってセカンドライブ。
Altessimo(の中の人おふたり)のパフォーマンスはすさまじく、担当P以外の方の心をも鷲掴みにするような圧巻のステージでした。周りの同僚さんたちに「アルテすごくよかった!」「アルテをもっと好きになった」と言っていただけて(わたしは何もしていないのですが)本当に嬉しかったのを覚えています。

そして6月のグリーティングツアー。アルテP絶対狙い撃って天に召すセトリで見事天に還されかけました。円盤待ってます。

2017年のライブイベントにおけるAltessimoは本当に素敵でかっこよくて最高の担当アイドルで、とっても幸せな1年だったのですが。セカンドの円盤を見ながら当時のことを思い出して感傷に浸ったりする中で、だんだんと「そろそろ彼らに一歩進みだしてからの曲を歌ってほしい」という気持ちが湧いてきて。
特に去年1年はモバゲーのイベント内でのアルテの成長というか、進歩しているさまがすごく描かれていて、それがとても嬉しいと同時に、現実での彼らはまだ過去から今へと歩み出そうとする歌(Never end「Opus」)と、これからの自分達の未来への期待と希望を歌った歌(The 1st Movement~未来のための二重奏~)しか持ち歌がないことがすごく悔しかったんです。
ゲーム内でどんどん成長していく彼らの、Opusと二重奏を経て、過去から今、その先の未来を行く彼らの歌が聞きたい。そう思うようになりました。しかしCD情報はなかなか来ず。アニメ化はセカンドで決まっていましたし、彩以降のユニットの新曲はいつになるのだろう、とずっとずっと待っていました。

そして3周年イベントが終わってからしばらくしてやっと。サードアニバCDが発表。本当に嬉しかった。ずっと待ってた。
正直アニメのシャッフル企画なんかもあって余計に、きっとみんないろいろ思っていたと思うのだけど。やっと一歩先に進んだ彼らの曲が聴けるんだって、ほんとに嬉しかったんです。前置きが長くなってしまうのは悪い癖ですねすみません。

 

そんなわけで待ちに待ったサードアニバです。
試聴の時点でもうワクワクが止まりませんでした。

でもなんでかあんまり何度も試聴を聴くと(嬉しすぎて)(なんで今すぐ発売しないんだと)しんどくなりそうで、ちょうど論文の終わる頃に発売だというのもあって、論文が終わって自分へのご褒美にフルを聴くのを楽しみにしようと思って適度にたまに聴く感じで日々を生きてました。

そしてついに発売。フルで聴いたらもう、涙が止まらなくて。

彼らはこんなにも楽しそうに歌っていて、奏でていて。

奇跡みたいだったHarmony
変わらずにここにいる 

歌いだしからもうダメです。始まりは奇跡のような、運命の出会いだった2人は、あれから三年経って今もなお一緒に奏でている…。始まりはあんなにも消極的だったふたりが、もっと次の音を、もっと歌おうと、こんなに前向きに歌っているんです。

涙が止まりませんでした。今も聞きながら書きながら泣きそうです。

たった二つの音が紡ぐ 無限を秘めるSymphony

すごく印象的なフレーズです。SideMには全部で15のユニットがいるわけですが、一番人数の多いCafeParadeとHigh×Jokerは5人組。大してアルテは2人組なわけですが、そんな彼らが奏でる「無限を秘めるSymphony」…このフレーズにすごくAltessimoらしさを感じました。同じCDの中にカフェパレとアルテという人数の全然違うユニットの曲が入っているのもなかなか趣深くていいですね。

彼らの歌を通して「なんて幸せなんだろう!」と、こんなにも幸せそうに、歌うことが、奏でることが楽しいと言ってもらえるなんて、本当に嬉しいです。2人とも歌声が本当に楽しそうなんですよね。

こちらこそありがとう。あなたたちと出会えてよかった。
あなたたちが歌ってくれることが何よりも嬉しい。
出会ってくれてありがとう、もっともっとたくさんの新しい音に出会いに行こう。

2番のBメロの歌詞に「poco a poco」って入ってるのが…もうそういうとこだぞ~!!!!!みたいになりました。好き。最高。

すごくアルテらしい歌詞で、本当に見事にOpusと二重奏を踏襲してその先にある未来を歌っていて、最高の新曲です。ありがとう世界(すぐ世界に感謝するP)

特に素敵だな、と思うのは、まず2番のAメロBメロの歌詞。

ごらん自由の外側にも
こんな驚きがあると
ヒカリのように旋律がハネている

日々はとてもドラマチックに胸を揺らすから
poco a pocoでも目まぐるしくて
どの瞬間も歌にしたくなるよ

Aメロは「ピチカート おどけた曲を奏でよう」を思い出すような、どこかEchoes My Noteを感じさせる歌詞です。Bメロも同じようにSanctuary Worldを思い出させる歌詞ですよね。

そして「そっと教えてくれたセッションが」「触れ合うすべてのMusic もたらしてくれる出逢いに…」というような歌詞に見られる、自分たち以外の他者・事物との関わりを感じられ、かつそこからまた新たな音が生まれてくることを表現している歌詞。今までの楽曲はどうしても2人で完結しがちな曲だったと思うのですが、ユニットとして活動をしてきて、オリピでソロの曲も歌って。他の人たちと関わっていく中でどんどん2人の世界が広がっていっていることが伝わってくるんですよね。本当に最高だなこの曲。

 

Toneって音色とか、音の調子みたいな意味みたいなのですけど、他にも口調、風潮、色合い、抑揚みたいな意味がある言葉で。他の「音」を表す言葉と比べてすごく、感情っていうか、なんていうんだろう…すごく人の気持ちの機微みたいなものを含んだ言葉だなって感じました。

たくさんある「音を表す言葉」の中で、今回この「Tone」が選ばれて、この曲のタイトルに使われているってすごく素敵なことだなって思います。Never end「Opus」は、まさに「音楽作品」とも言うべき、すごく壮大な、彼らの人生を内包した物語のような曲で。それと比べると今回はちょっと砕けた雰囲気で、すごく親しみやすい曲で、そこに使われているのは「Tone」。都築さんのMusicと麗さんのMelodyみたいな違いもですけど、こういう言葉の選び方がとても丁寧で好きだなぁ、と。

 

それから一番最後に…わたしの聞き間違いでなければ、多分「何かを紙に書いている音」がしていると思うんですよね…。これって多分楽譜に新しい曲を書きつけている音、ですよね…?
そういう…細かい…音でもさ…Pは死んじゃうんだよ…(涙しながら)

 

[ここからちょっと追記]

フォロワーさんに「Tone's Destinyの最後やばくないですか?天才の所業」って言われて何事かと伺ったら、「最後の『触れ合うすべてのMusic』の裏で、二重奏の『La…La…Welcome our Stage!』のあたりと同じ音がしてるんですよ…って言われて、聞いてみて震え上がりました。若干リズムとか調は違うんですけど、これ、二重奏だ………。何これ。すごい。もっと聴き込めばいろいろ出てくるかもしれない…すごい…すごすぎるサードアニバ………

 

多分これからも繰り返し聞いていくうちに、もっとたくさん「ここもいいな」「ここはこんなことを言ってるのかもしれない」って部分であったりとか、この曲についての思い出がたくさん増えていくと思います。これからも新たな未来の音とたくさん出会っていけるように、Altessimoのプロデューサーとして2人の未来を見守っていけたら幸せだなと思います。

改めてもう一度、本当にありがとう。

あなたたちと出会えて、わたしはとっても幸せです。

 

 

長々とお話してきたのですが、他のユニットの曲とエタファンについても。

 

まずReversed Masquerade。
試聴の段階であまりにも好みでスマホ投げそうになった。

短調で始まり、怪しげな曲調にあわせてMasquerade、Nightmareといった歌詞が並び、ハロウィンっぽい雰囲気。でも「Welcome Nightmare!」から一転してカフェパレらしい多幸感がマッハな長調へ。そしてまた短調へ戻っていくんですけど、本当にこのへんの音の動き方が絶妙で。めちゃくちゃ心を掴まれて無限に聞けてしまう。すごい。あまりにも好みで床ローリングしてのた打ち回った。

歌詞もすごくカフェパレらしくて、仮面舞踏会というモチーフをうまく活かしながら、カフェパレの「個性に対する包容力の広さ」を感じさせてくれる歌詞。全然Nightmareが悪夢じゃないんだよなぁ…こんな夢ならいくらでもいつまででも見たい。悲しいことに夢は覚めるものですけど、でもカフェパレは「ココロにかけた魔法はNever End!」って言ってくれるんですよ。最高ですね。本当にカフェパレは人に幸せを届けてくれる天才だと思います。

 

続いてSymphonic Brave。
これまでのレジェがすごくカッコイイ!ツヨイ!みたいな路線だったので(もちろんそんなレジェが大好きです)、正直最初ちょっとびっくりしました。今回彼らもすごく「一歩踏み出した曲」だなぁ、と感じました。

出会いが君を変えてしまうことを
恐れないでいい、信じて選んでほしい
消えないのさ…積み重ねてきた
君が君であるという理由は絶対にね

この歌詞が本当に好きで。発掘オーディションを勝ち抜いてきて、たくさんの人に選ばれ、315プロと出会った彼らが歌うからこその歌詞で、すごく勇気をもらえる曲だなぁと思います。正直ここで泣きました。

ツイートで見かけたのですが、Legacyは前任者などから継いだものを指す「遺産」で、Heritageは受け継がれてゆく財産を指す「遺産」なのだそうです。彼らは時代を受け継ぎ、次世代へと継いで行くアイドルなのですね。

 

Eternal Fantasia。
めっちゃ幸せな曲なのにめっちゃ泣いた。

まず他のユニットと一緒にアルテが歌っているっていう事実に。そして彼らがこんな風にアイドルっぽい(※当社比)曲を歌っていること。めっちゃ泣いた。

そう、深く深く刻まれた愛に導かれて
ずっと…ずっと…旅をしてきたんだね
出逢ったのは偶然じゃないって
とっくに信じているんだ
大切なこの気持ち教えてくれた君だから

こんなの泣くしかない。本当に最高。ダメだまた語彙が死んだ。
まさに永遠に続くファンタジアだなって。「自由な形式で、豊かな幻想の赴くままに書かれた曲」だそうです。永遠に続け。

彼らはこれからも前を向いて進み続けていくのでしょう。
わたしも1プロデューサーとして、その道を一緒に進んでいけたら幸せです。

同僚のみなさまもどうぞ今後ともよろしくお願い致します。

 

サードライブが楽しみで仕方がないです。
本当に4曲が4曲とも最高の素晴らしいCDなので是非みなさま聞いてください。

02以降も超楽しみにしています。

ありがとうサードアニバ!ありがとうSideM!

生まれてきてくれてありがとうAltessimo!!!!!

 

さて、ではでは今日はこのへんで。
そういえば先日観に行った「LOVE×LETTERS」の話をしたいなぁと思ったのにできないまま卒論卒論になってしまっていたので、近々落ち着いた頃に備忘録を書けたらなぁと思っています(が書くという保証はない)。

明日からの上位も頑張ります。ちゃお。

都築圭という人のおはなし

 

ごきげんよう

昨日2017年11月18日。
アニメ「アイドルマスターSideM」にて、担当ユニットのひとつであるAltessimo(をまだ結成する前の都築圭と神楽麗)が、動いて喋りました。

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なんという世界線に生きているんだ。感謝しかない。

それに伴い、いろいろ都築さんと音楽についてまたいろいろ解釈が深まったというか、考えるところがあったので、自分用の備忘録としてぽちぽちすることにしました。

あくまで個人的な解釈なので、これを受けて「わたしもそう思う」と思う方も、「ここは理解できるけどここは違うと思う」「そもそも決定的に解釈が違う」と思う方もいらっしゃると思います。この記事が「あなたにとってのAltessimo・都築圭」を考えるきっかけのひとつになればうれしいな、と思います。いろんな人にとってのAltessimo像を見るのが好きなので…!もしよければ、是非「あなたの思うAltessimo」のことも聞かせてくださいね。

 

作曲家・都築圭

さて、都築さんは元作曲家のアイドルです。今まで彼の作曲家時代について言及されていることといえば、

・「伝説の歌姫」の大ヒットしたデビュー曲(でありその曲を最後に引退してしまった事実上最初で最後のヒット曲)を作った(虹の音楽祭イベスト・雑誌ほか)。

・「あのときの彼女の歌は、素晴らしかったなぁ。僕が歌にこめた期待以上に、彼女は応えてくれてね。歌に魂が注がれていくさまを見て、心が震えたよ」「あの頃の僕は、彼女に曲を捧げることが全てだった。僕の作る曲に魂を吹き込み、最も美しい音へと昇華させてくれるのは彼女だけだと思っていたから。」(ST@RTING LINE11ドラマパートより)

・旬くんに「都築圭さんですね。驚きましたよ。あんな著名な音楽家が、日本のこんな、小さなプロダクションに所属していたなんて。」と言われるほどの人だった。(電撃オンライン「現役高校生バンド"High×Joker"にインタビュー!」より)

などがぱっと挙げられると思います(もちろん他にもたくさんありますが)。

これまでの彼を見ていると、「彼は世間に著名な音楽家として認められていながら、恐らくは『彼女』との別れが原因か、何かしら自分の表現したい音楽を見失ってしまったのではないか」、と思っていました。まだふんわりとした理解しか出来ていなかったので、いつかそれが補完される日は来るだろうか、と、自分なりに彼がどんな「理由」を背負っているのかわかる日が来るのかと待っていました。まさかそれが、アルテはそんなに出ないだろうと思っていたアニメでのことになろうとは。

ですがまず先に話題にあげるのは、時系列的にアニメよりも先に世に出た、ORIGIN@L PIECES04に収録されているソロ曲「Sanctuary World」です。

 

「五線の上でいつしかサイレント」

これまで「Never end『Opus』」でもAltessimoの2人の苦悩は歌われていましたが、都築さんの過去については、今までぼんやりとしか明かされていませんでした。明言されていたら完璧にわたしの見落としですごめんなさい。

ソロの感想については前も書いたので詳細は割愛するのですが(よければここからどうぞ→ありがとう世界 - ごきげんよう) 、わたしはこの曲を聴いて、麗さんとの出会いで彼の世界が再び色づき、世界はこんなにも素敵な音に満ちているのだな、ということを思い出せた…そして彼が感じた世界を音にして届けたいと思えるようになった、ということなのかな、と感じていました。
しかしまぁ、やっぱり過去についての明確な答えがあるわけではなく、これまたぼんやりとですが、音を通して彼のこれまでの苦しさと未来への期待が届いてきたことに感動したことを覚えています…… このときもまだ、「彼は自分の探していた『奏でたいと思える音』をなくしていたのではないか」ということを考えていたわけなのですが、明確な答えとは言えず。

ではそもそも、彼にとっての「良い音」「素敵だと、奏でたいと思える音楽」(俗っぽい表現しか出来ずすみません)とはどんなものなのかを一度考えたいと思います。

 

都築圭の「音楽」

パラダイスリゾートでの一件や、自然満喫、ジャパンフェスタなどのカード台詞を見ていても、彼は自然事象(波の音や風の音など)や動物からも「音」を感じ取ることで自分なりに吸収・解釈することができるように思います。

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また、初期のイベントストーリーでは
「確かに音楽も、解釈は必要だけど結局は心で感じるものが大きいだろう。(ドレミファ★メロディ ストーリー02より)」
「2人の間は、言葉ではなく音楽で繋がっていたしね。(スクール・オブ・コーラス ストーリー07より)」
のような言葉もあり、無理に言葉で表さなくとも、音楽があれば相手を・自分を理解できる、音は言葉より雄弁、みたいな部分があったのではないか、と考えました。音楽は、彼の中にある世界を表現し人に届ける(発信する)ためのものであり、他者や物事を感じ取る(受信する)ためのもの…コミュニケーションツールでもあったのではないか、と。まさに「Music is Heart(音楽は心)」というか。オフショットの台詞でも画像のように述べています。

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ですが、もちろん誰もが彼の音楽(にこめられた「伝えたいこと」)を、言葉での説明なしに音だけで完璧に理解できるわけではありません。空の境界に出てくる玄霧皐月の「統一言語」みたいなものですから(わかる方には伝わるかな…?)、一方通行のコミュニケーションになってしまう。ストーリーを経るごとにだんだんと「言葉にしないと伝わらないこともある」ということを理解して、彼なりに言葉にして伝えようとしてくれる機会が増えてきているように感じています。ありがとう神イベですね浅草

これを踏まえて、彼がプラスの感情で「感じ取って」いる音楽はどんなものか。ドレミファ★の雑誌では子どもとの連弾を楽しんでいる様子が描かれていたり、音楽教員のカード台詞では学生の合唱に興奮していたりと、巧拙よりも「そこにどんな気持ちが込められているか?」を重要視しているように見えます。サイバネでも「うまく歌わなければ」と力んでしまう旬くんに「そんなに肩の力を入れなくてもいいんじゃないかな。」「音を奏でるって、もっと幸せで…楽しいことだよ。」とアドバイスしていますし、大事なのは「上手下手ではなく、曲が生き生きとしていること」なのかなぁ、と思うのです。

ここでひとつ、彼と音楽を考える上で、ずっと引っかかっていた台詞について触れさせてください。それがこれです。

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「くだらない流行歌」

先に「彼は音を通して人や動物から気持ちを感じ取ることができるのではないか」とお話しました。それならば、どんな曲にも作り手の意図や気持ちが込められていることだって、作り手である彼は十分わかっているはず。そんな彼が「くだらない流行歌」というかなり強い言葉で、誰かしらの作った曲を批判することがずっと謎でした。
…見た目のイメージから、クラシックよりの作曲をするのではないかと考えられていた期間が長かったのもあり、「誰かが作っている量産されるアイドルソングなどに対してこれを言っているのではないか」とずっと思っていたのですが、その謎が今回のアニメでの登場で、自分なりに解釈できるようになりました。

これは「惰性で書き上げたメロディ」に対する自己批判なのではないか、と。

 

アニメ(とそれに伴うゲーム内雑誌)では、驚異的ヒットを記録した話題の作曲家として情熱熱血大陸で特集されていたわけですが、「放送終了より一週間見逃し配信」とわざわざ書かれているところからも、恐らくあの番組は(四季くんが録画とかしていたのでは?という意見もありますが)最近放送されたものではないかと予想できます。となれば、時期的にはもう「彼女」はいない頃のはずで、それでも彼はヒット曲を生み出していたことになる。
(華村さんの一件などもあり、モバとは別次元の可能性も大いにありますが)(というか別次元だとは思うのですが根底の部分は変わらないですしということで、)エムステで「僕の曲をあんな風に歌ってくれる人には、きっともう出会えない…」と明言していたり(アイドルストーリー都築圭1話)、先に例にあげたSLのドラマパートでも「彼女」の存在の大きさを感じられます。

でも、彼はプロの作曲家です。ヒット曲を生み出した以上、それ以降も仕事の依頼は来たでしょうし、きっと彼は「彼女」を失ってなお、曲を書き続けていた。そして恐らくそれらの曲もまた、世間には受け入れられ、ヒットしていた。インタビューのなかで彼は「言葉は必要ないよ、相手の心が奏でる音に耳を傾ける、それだけでいい…」と語っていて、曲作りにおける根本の部分‪──相手の音を自分が感じ取って、それをまた自分なりに表現して発信する‪──は変わっていない。でも、きっとその「歌」は、彼の求めるものではなかったのではないでしょうか。

「曲」は表現してくれる奏者がいて初めて「歌」になり、受け手の耳に届きます。
自分の作った「曲」を、最高の形で「歌」にしてくれる存在を失った彼は、それでも「曲」を書き続けたのでしょう。もしかしたら、流行している(=どうも多くの人の心に届いているらしい)歌を真似して曲を作ったりもしたのかもしれない。それでも「……僕も待ってるんだ」「僕の中から新しい音楽が生まれる瞬間を」と言っているとおり、自分の目指す「音楽」は見つけられなかった。ずっと自分の「曲」を「歌」にして羽ばたかせ昇華させてくれる存在ともう一度出会えるのを待っていたのです。

 

そして、「やっと…見つけたよ」。

吹き込もう 埃かぶり
褪せたメロディ そこに命を

自分の気持ちを込めたところで届かないだろうと書き続けた「曲」を、相手の心が奏でる音を「曲」にしても、最高の「歌」にはなれなかったそれらを。麗さんのヴァイオリンは天上の音楽に変えてくれた。

彼とならば、新しい音楽を生み出せると思った。
だから、「君と奏でたい!」と、あの時彼は言ったのではないでしょうか。

自分の作った曲になら「くだらない流行歌」という言葉を使ったことも納得がいって自分の中にストンと落とし込むことができたし、初期のカードにおける自己評価の低さもなるほどと合点がいきます。

 

「もう一度 今 届けてみようか」

あくまで彼は「作曲家」であり、「歌を届ける」人間ではなかった。
彼はもともと自分は表舞台に立つ存在ではない、と恒常Nでも言っていましたが、恐らくこれは「曲を歌にする方」ではないという意味だったのではないでしょうか。だから作曲家としてテレビとかに出たことはあっても不思議じゃないなと。

 

「彼はヒット曲を生み出す作曲家として世に認められた存在でありながら、何かが足りないと思っていて、『曲』に命を吹き込み、『歌』にしてくれる人を探していた」

これが彼の「理由あって」なのかなぁ、というのがわたしなりの答えです。

 

そして神楽麗に出会ったことで見つけたセカイを、新しい音楽…新しい楽譜(ゆめ)を、自らも彼と、プロデューサーと共に「歌」にしようと決めた。

 

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1月には待ちに待った3rdアニバCDの発売も発表されました。
二人がこれから奏でていく「新しい歌」は、どんなものになるのでしょうか。

これからのAltessimoからも目が離せません。

 

どうかたくさんのプロデューサーさんが、彼らのことを見つけてあげられますように。
ありがとう、アニメアイドルマスターSideM

 

いつか"よろこびのうた"を届ける彼らを、またアニメで見られますように。

そして2人がこれからも、至高の音楽を目指して歌い続けてくれますように。

これからも精一杯プロデュースしていきたいと思ったのでした。

どうぞ同僚のみなさま・ファンのみなさま。これからもよろしくお願いします。

 

ここまで長々とお付き合いくださりありがとうございました!!!

ありがとう世界

 

温度差が激しくて体温調節がままならない今日このごろ、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

ついに昨日、4月26日
THE IDOLM@STER SideM ORIGIN@L PIECES 04が発売されました。

今回はその中でも担当である都築圭さんの楽曲「Sanctuary World」のお話をします。

まだ聞いてない、ネタバレはごめんだという方はそっとブラウザバック推奨です。以下ネタバレしかないです。

THE IDOLM@STER SideM ORIGIN@L PIECES 04

THE IDOLM@STER SideM ORIGIN@L PIECES 04

 

(Amazonさんは配送が遅れている?らしいので、もし可能なら実店舗や他の通販をご利用いただいた方が早く到着するかもしれません)

 

さて、いくつか前の記事でもお話したとおり(音楽と世界)、わたしはWとAltessimoの担当Pをしています。その中でも特に都築さんとのご縁にたくさん恵まれたというのもあり、都築さんは担当4人の中でも特に思い入れのあるアイドルです。

まず試聴のときめちゃくちゃ驚かされました。オフショットSRみたいなふわっとしたイメージがどうしてもあって、楽曲もふわふわした、優しい春の陽射しみたいな曲だと思い込んでいたからです。試聴については詳しくは前述の記事でお話したので省きます。

試聴を聞き込んでいるうちに発売された声優グランプリでの土岐さんのコメントがまた衝撃的でした。

それだけに今回のソロ曲に対する期待と、同じくらい未知への恐怖みたいなものがあって。都築圭という人物の過去、現在、未来さえも描くこの「音楽」を、「世界」を、わたしは受け止めきれるだろうか…そんなことをぼんやりとずっと思っていました。

 

ついに発売日。

初めて聴いた感想はタイトルの通り「ありがとう世界………」です。語彙が消し飛びました。

涙が勝手にどばどば出てきて止まらなくて、歌詞カードが見えなくなって、それでも一生懸命最後まで聴きました。今やっと1日おいてまともに聴けるようになりましたが、気を抜くとまた泣きそうです。
初めて聴く曲であんなに泣いたのは阿部さんのソロ曲の「BLUE」以来数年ぶり2回目ってくらい泣きました。

 

何度も何度も聞いた1番。改めて歌詞を見ながら噛み締めるように聞いた。
何もかもが色を失って、「僕には音楽しかないから」と言っていた彼が、音を失う切なさ。

はじめましての2番。
Aメロはまだ苦しくて。でもフォロワーさん(みのりさんPの方です)が「五線の上でいつしかサイレント」から「五線の海で呼吸ピアニシモ」だから、少しずつ音楽を取り戻してるんですね、って教えてくれて、少しほっとしました。一人で聞いていた時はすごく悲しく聞こえていたので…。

そんなAメロ途中から裏にバイオリンが入り始めて、「カナリアの声で」「やっと…見つけたよ」

ここで涙腺が爆発してしまった

麗さんとの出会いはこんなにもドラマチックで、彼の世界を蘇らせてくれた。雑誌でも、今までのイベントストーリーでも、何度も見守ってきたこの事実を、改めて音を通して感じることができる。Altessimo担当Pとしてこんなにうれしいことが他にあるだろうか。(異論は認める)

どちらかというと、世界にはこんなにも素敵な音が満ちていたことを忘れてしまっていた、見失っていたのに気づいた、というニュアンスなんだろうか。「心動く揺れ」「あらゆる機微」という言葉もあるように、そういうふっと「素敵だな、いいな」と思えるものを、もう1度彼は音にしてわたしたちに届けたいと思えるようになった………彼は「元作曲家のアイドル」になったんだと、改めて痛感しました。逆に言うと、麗さんと出会うまではそういう細やかな気持ちの変化を切り捨てていたのかもしれないと思えてきて、すごく苦しくなった。海月のように、ただ漂っているだけの日々………。

 

2番サビ後の間奏からCメロの部分の凄まじさについての話をしたい。

2番サビの歌詞を受けてピアノソロ。彼の中の「押し寄せる思い」が実際にピアノの音として聞こえてくる……何度も言っているけれど「音を通して都築圭という人物を感じられること」、これが本当に本当に嬉しくて嬉しくてたまらない。ヴァイオリンとの疾走感溢れる連弾。わたしの頭の中では都築さんと麗さんがお互いに微笑みながら、相手の音に引き立てられて、より良い音をと競い合う幻想が見えました(P特有の幻覚)。そして転調してCメロ。

壮絶としか言い表せない己の語彙力をこんなに呪った日はないと思う。
先程までのめくるめく旋律と比べて、落ち着いたピアノの音に合わせてのCメロ。
歌詞のひとつひとつが、メロディが、都築圭の物語になっている……そしてあのファルセット。Voおばけと呼ばれる都築圭の本気を見た。これはVo値18679だわ。

こんなに優しい声で、未来を見据えて、「もう一度 今 届けてみようか」だなんて、そんなこと言われたら泣いてしまう。泣くしかないじゃん……都築圭と神楽麗が出会ったこの世界に感謝したい。いや二人を見つけてスカウトしたのプロデューサーだからわたしってことになってるんですけど。なんていうかこう、ほら、ね?(語彙力↓)

 

そしてラスサビ。

一番と同じ歌詞なんだけれど、聞こえ方が全然違う。もうひとりじゃない。都築さんの歌声と喧嘩することなく、絶妙な塩梅で後ろでずっとヴァイオリンとピアノが寄り添っていて。これは「Altessimoの都築圭」が歌う歌なんだなって、思いました。

これも先のフォロワーさんの言葉なのだけど、「つがいの羽」はもちろん都築さんと麗さんのことだけど、「見守る日差し」ってきっとプロデューサーさんのことなのかなって思いました、と言ってくださって、また泣きました。
Altessimoを応援してくれる皆さん、この曲を聞いてくださった皆さんへ向けている言葉だろうと思って聴いていたのですが、なぜかすっかり自分を蚊帳の外にしていたので、こう言っていただけたのが本当に嬉しかった。

好きなところがたっくさんあるこの曲なのだけど「なんてサンクチュアリ」の裏の音が特に狂おしいほどに好き。一呼吸おいて、「Rebirth My World」………情けない話、最後のコーラスを聞いてるとき本当に嗚咽が止まらなくて、聞き終わってからもしばらく放心状態でぽやーっとしていました。

 

2人にとって「Melody is Heart」で「Music is Heart」なんだな、ってそこの対比にも泣きました。似たような言葉ですけれど、確かに少しだけニュアンスが異なる言葉なんですよね。見事だなって。

本当に都築圭という人間の物語がここまで見事に描かれているなんて、と涙が止まらなかった。この曲を作ってくださった皆さん、ここまで都築さんを連れてきてくださった担当Pの皆さん、そして都築さんに命を吹き込んでくださった土岐隼一さんに心からの感謝を……!

 

 

麗さんのソロ曲「Echoes My Note」でも「奏でる」「届ける」という言葉はたくさん出てきました。Altessimoにとってきっとこのフレーズは永遠のテーマであり、彼らの活動の一番根底にあるものなのだと思います。

麗さんがアイドルを志望した理由は

心が奏でる音楽を、必要としている人に届けるために。

未来に向けた決意コメントでは

心が折れそうな時は誰にでもある。そんな時に寄り添えるような曲を奏でられるようになりたい。(後略)

と語っていますし、都築さんも

僕は見届けたいんだ。自分の音の可能性、この手から生まれた音に命が宿る瞬間を。(後略)

と、音楽の可能性を信じています。

お互いに一度失いかけてなお…いや、失いかけたからこそ「音楽しかない」と思っている彼らが、音楽を通して様々な新しい人に、事物に、世界に触れる。
そこで出会った新しい感動をまた音楽にして届ける。こうして彼らはきっと「誰も聞いたことのない、至上の音楽」へ辿り着いてくれるはずだ、とわたしは信じてやみません。
もちろん音楽に長けた2人ですが、「音楽しかない」なんてことはない、これから音楽だけじゃなく、たくさんの大切なものを見つけていくことだってできると思うんです。

まだまだ若輩の新人プロデューサーではありますが、いつか2人が目指す至上の音楽へ辿り着くその日まで、一緒に歩んでいきたいなと、そんなことまで考えさせてくれたソロでした。

グリーティングツアー北海道が本当に本当に楽しみと同時に恐ろしいですが、このあたりで筆を置くことにします。

 

次回、今度こそX Liedの話を、書きたい、と、思って、い、ます。

それではまた、ちゃお。